英語の「音声」を学ぶことの大切さについて

英語学習法

今回は、英語の基礎力として「音声理解」の力が大事だよ、というお話しです。

皆さんは、学校の英語の授業で「発音指導」をきちんと受けたことがありますか?私は90年代生まれですが、英語を習い始めた初期段階(小中学校)で発音のみを切り取って教えてくれるような授業を受けることはありませんでした。

小学校で英語(外国語)が教科化されて久しい今日ですが、その早期英語教育を学校で受けてきたはずの中学生・高校生を教えていても、「初期段階で発音の勉強の機会を与えられず、4技能の応用が上手くいかない」という問題を抱えている生徒に多く出会うように思います。学校でなんとなく音読の活動はしていても、アルファベット一つ一つの持つ「音」や「決まったスペリングと発音の規則」を知っていないと、単語や文を滑らかに(かつ相手に正しく伝わる音で)発音することができません。

英語の音声を正しく理解できないと、スピーキング、リスニング、そしてリーディングの技能にも悪影響が出てしまいます。

日本語の音韻体系に頼ってカタカナ発音してしまうと、言いたいことが正しく伝えられない、聞き取ってもらえないという問題が生じます。また、単語や文をネイティブスピーカーのように滑らかに発音するのが困難になります。

そして発音できない音は、聞き取ることも難しいと言えます。英語にしかない音が耳に入ってきても、その音を知らなければ、なじみ深い日本語のカタカナに置き換えてしまいます。そうすると、例えば “hut” という単語と “hat” という単語を聞き分けられず、聞き取った英語を正しく理解できないという問題が発生してしまいます。

さらに、発音の理解に困難を抱える学習者は、英語の文・文章を素早く読解することにも困難を感じてしまいます。実は、文を黙読している時にも、脳の音声処理を司る部分が活動しています。よって、各単語の音声処理を正しく行えないと、その単語が何であるかを認識して意味を正しく解釈していくのに時間がかかってしまいます。実際、リーディングが苦手な生徒は、音読に苦手意識を持っていて、全ての単語をカタカナで発音していることがとても多いです。

「英語を”使える”ようになりましょう!」と言ってたくさんスピーキングやライティングをさせるのが今の英語教育のトレンドですが、その前段階の「音声理解」がごっそり抜け落ちていくと、英語を使えるようになるための応用段階のトレーニングも十分な効果を発揮しきれません。

英語を学習し始めて間もない小学生くらいの学習者は、フォニックスの練習を丁寧にこなし、英語の音声を日本語の音声とは別に処理できる力をつけていくのがおすすめです(Camphoraでは、「こどものCommunicative Englishコースで段階的にフォニックスを導入していきます」)。

ある程度英語学習を積み重ねてきたという中高生~大人の学習者も、4技能の伸びに問題を抱えている場合は、英語の発音練習に立ち返るのが良いでしょう。「フォニックス」と聞くと子供向けの歌やチャンツといった教材を思い浮かべてしまうかもしれませんが、大人向けに書かれた英語発音トレーニングの教材も世の中にはたくさんあります。おすすめ教材をいくつかご紹介しますので、英語音声理解が不十分だと感じる方はぜひ活用してみて下さい。

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